新生平田がチャレンジする「酒は醸し育てる」酒造り【飛鷺、多賀山、昇龍乃舞】株式会社平田酒造場-岐阜県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第98回目の当記事では、岐阜県高山市（ぎふけんたかやまし）の株式会社平田酒造場（ひらたしゅぞうじょう）を特集します。

自然豊かで整った気候条件で醸す、美味しい酒造り

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

平田家は「打保屋」の屋号で、明和6年（1769年）びんつけ油、ろうそくの製造販売を創めました。酒造業は明治28年に創業しています。創業以来研鑚をかさね、酒は醸し育てるもの、とのコンセプトのもと、手造りにこだわっています。「品質第一」を社是にして、寒冷飛騨の地の利と伝統に培われた技術により地元の米「ひだほまれ」他を使用、井戸水を汲み上げ仕込んだお酒で、格調高い味・コク・香りのいずれも愛飲家の皆様に充分賞味していただけるものと確信しております。

高山市は、日本列島のほぼ中央に位置し、飛騨山脈に代表される3,000m級の山々に囲まれ、四季がはっきりとしています。
昼夜の寒暖差があり、冬は厳しく、雪も降り、春には、緑豊かな山々を目にすることができます。自然豊かで整った気候条件は、美味い酒造りに欠かせません。

城下町の中心、商人町として発展した高山は、上町、下町の三筋を古い町並と呼んでいます。出格子の連なる軒下には用水が流れ、造り酒屋には杉の葉を玉にした「酒ばやし」が下がり、町家の大戸や、老舗の暖簾が軒をつらねています。

上町には、駄菓子屋さんや伝統工芸のお店、名物の「みたらしだんご」のお店などが並び、多くの観光客で賑わいます。下町は、市民生活関連の店舗が残る貴重な町並みです。菓子、餅屋、骨董屋、農機具、畳、文房具、郵便局、料理屋など昔ながらの町並みで、小京都の雰囲気を味わえる高山の通な観光スポットです。
私どもの蔵は古町の一角にございます。

―代表銘柄は？

華やかな吟醸香を楽しみ「純米大吟醸」シリーズ
→お米の違いを楽しむ純米大吟醸
・昇龍乃舞　（イセヒカリ）
・多賀山（兵庫県産山田錦）
・飛鷺（ひだほまれ）

酵母の違いを楽しむ特別純米「飛鷺（ひろ）」シリーズ
→酵母の違いを楽しむ特別純米
・飛鷺（紅ラベル）
・飛鷺（白ラベル）

飛騨高山のジビエ料理に合う

―イチオシ商品はなんですか？　地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか？

純米大吟醸シリーズ３種類は、お米の違いによる味わいの違いを楽しめます。「飛鷺（ひろ）」の特別純米はどれも食中酒として、お酒と料理を引き立てるペアリングでの違いを楽しめます。

地元の食材のお肉料理ですと飛騨牛。また鮮度の高い飛騨高山のジビエ料理は全く臭みのないお肉のため、ジビエに合うお酒としてもおすすめです。またフレッシュな山椒に地元のお豆腐でシンプルにおつまみとしてもよく合います。飲み比べをしながらお召し上がりください。

酒造りで一番大事にしている事は「和」

―酒造りで心がけていることは？

技術の向上は勿論ですが、酒造りは「和」がとても大事です。
平田酒造場の皆が一丸となって、酒造りを楽しみながら造りたい。
様々な場面に寄り添えるお酒を造りたい。と考えています。（杜氏　津田篤志）

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。　
高山市内中心部古い町並には、当蔵を含めて７軒の酒蔵があり、様々な銘柄を楽しめます。周辺観光地として、世界遺産白川郷、奥飛騨、上高地があります。

最近では、アニメ呪術廻戦の登場人物「両面宿儺」ゆかりの地として、千光寺が密かな人気になっています。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします！

平田酒造場は新体制になり、伝統も大切にしながらも、新しい銘柄のお酒造りにチャレンジし、日本酒を通じて日本の素晴らしい文化をこの地高山からお届けします。また観光にお越し頂ける際は、蔵見学や試飲などお気軽にお申し付けください。

今回ご紹介した酒蔵について

【岐阜県】
株式会社平田酒造場
https://h-sake.jp/
岐阜県高山市二之町４３