地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。今回は、新潟県新潟市(にいがたし)の越後鶴亀(えちごつるかめ)を特集します。
皇室も愛した越後鶴亀の伝統と味
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
明治23年創業。新潟市の中心部から車で約1時間、角田山(かくだやま)という山麓の町の中にあります。
人々に喜ばれる美味しい酒を目指し、銘も分かりやすく、おめでたい商標をと思い「鶴亀」という名をつけました。
天皇皇后両陛下ご成婚に際し皇室にご用命いただき、献上した越後鶴亀のお酒が宮内晩餐会にて供されました。
―代表銘柄は?
「越後鶴亀 純米」
米がもたらす上品な旨みを最大限に引き出し、軽快でなめらかな口当たりとたしかな旨味が特長です。
後味のキレも良く料理を選ばない食中酒としても楽しめます。冷やしても温めても美味しいお酒です。
お薦めの飲み方:冷やしても温めてもおいしいお酒です。
―イチオシ商品はなんですか?
「越弌純米吟醸」
くまモンを手掛けた、デザイン事務所『good design company』代表水野学氏に実際に飲んでもらい、考案いただいたラベルです。
杜氏自身が栽培した五百万石を100%使用。米のポテンシャルを最大限に引き出し、雑味を極限まで抑えクリアな酒質になるよう米造りから設計。
狙い通りの味を再現するため小仕込みに抑え、無濾過、中取り原酒、上槽の翌日に瓶詰め瓶火入れで仕上げることにより、生酒のようなフレッシュ感を感じさせます。
豊かな味わい、旨味、ナチュラルで伸びやかな甘味と、果実のような香り、ジューシーな酸をお楽しみいただく事が出来ます。
お客様に一番美味しい状態で届けたい
―酒造りで心がけていることは?
杜氏のこだわりは「お客様に一番美味しい状態で届けたい。」
その為に出来るだけお酒をタンクの中では熟成させず、しぼった時に近いフレッシュな状態で保存することで、味わい深く、伸びやかな越後鶴亀をお客様に召し上がっていただくことができます。
日本酒は貯蔵されている間も酸素に触れることで、熟成・劣化が進みます。タンク貯蔵の場合どうしても上面に空隙が出来てしまい、酸素がお酒を変化させてしまいます。
瓶に貯蔵することで空隙は限りなく小さくなり、さらに冷蔵庫で保管することにより常に温度管理ができます。フレッシュ感はタンク貯蔵に比べて格段に良くなります。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
「ぽんしゅ館」
新潟駅、長岡駅、越後湯沢駅にある物産展【ぽんしゅ館】にて県内全92蔵の代表銘柄が試飲できます。
毎月人気銘柄ランキングを発表しており、越後鶴亀純米は58か月連続1位で殿堂入りを果たしました。
新潟駅店2023年1月人気ランキングでは『越後鶴亀ワイン酵母仕込み純米吟醸』が1位をいただきました。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
あらゆる食事に合うようなお酒を造っております。ぜひいろんな料理と合わせてお楽しみいただきたいです。
ハレの日にはぜひ越後鶴亀を。
今回ご紹介した酒蔵について
【新潟県】
株式会社越後鶴亀
新潟県新潟市西蒲区竹野町2580
https://www.echigotsurukame.com/