地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第282回目の当記事では、大阪府交野市(こうのし)の大門酒造(だいもんしゅぞう)を特集します。
二百年の歴史と清水ヶ谷の恵み
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
大門酒造は文政九年(1826年)、生駒山系の山並みの麓、交野ケ原の無垢根村に創業いたしました。
以来約二百年、いくつもの時代を超えて一心に酒造りに励んでおります。
大阪、京都、奈良と三つの都に囲まれた交野は古くは恰好の米の産地として知られ、また背後に連なる山々がもたらす清水に恵まれたことから、近世には酒処として知られてきました。
私どもはその時代から、裏山のその名も清水ヶ谷と呼ばれる谷あいに引き当てた井戸から湧き出る軟水を仕込水として、変わらず酒造りを続けております。
私たちの酒を通して、「大きな門」から皆様に日本酒の奥深い世界に親しんでいただく一助になることを願っております。
―代表銘柄は?
「利休梅 静香 純米吟醸」
優しい香りとたおやかな旨味。酸に裏打ちされた、すっきりとした軽快な味わい。「静かに香る」という文字そのもののイメージを商品化した、大門酒造の顔ともいえる銘柄。
お薦めの飲み方:冷
大門酒造の匠の技とこだわりの酒造り
―酒造りで心がけていることは?
蔵の入り口に大きく掲げた、「米」、「水」、「技」、「人」の文字は私たちの酒造りに対する姿勢を表しています。
大門酒造は六代を通して、常に最上の酒造りの環境と技を取り入れてまいりました。
特に当代では酵母の発酵を出来るだけ精緻に育てるため少量規模での仕込みに徹し、全ての規格の酒を低温長期発酵の吟醸造りで仕込んでいます。
原料処理については、麹米、掛け米を問わず全ての白米を10kgごとに洗米と浸漬を行う限定吸水法に従い、手作業による最適な酒造りにこだわり取り組んでいます。
これからも上質な日本酒の味わいをひとりでも多くの皆様にお届けできるよう日々邁進して参ります。
今回ご紹介した酒蔵について
【大阪府】
株式会社大門酒造
大阪府交野市森南3丁目12-1
https://daimonbrewery.com/