清酒を造り続けて400年、協会一号酵母発祥蔵【櫻正宗】櫻正宗株式会社‐兵庫県

地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第139回目の当記事では、兵庫県神戸市（こうべし）の櫻正宗（さくらまさむね）を特集します。

初めて公的酵母として配布された「協会一号酵母」の発祥蔵

―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。

1625年創醸の櫻正宗は、多くの酒銘に使用されている「正宗」の元祖蔵です。6代目当主山邑太左衛門が「臨済正宗(りんざいせいしゅう)」という経典を見て、正宗と清酒の語音が似ていることから、1840年に酒銘に初めて「正宗」と名付けました。

また灘酒の発展に大きく貢献した宮水の発見や、高精白米の先駆者、全国に初めて公的酵母として配布された協会一号酵母(=櫻正宗酵母)等、日本酒史に数々の名を残しています。

―代表銘柄は？

「櫻正宗 焼稀 生一本」
山田錦を全量使用した生一本。 お米のやさしい旨味が口いっぱいに広がる切れ味最良の清酒。お薦めの飲み方は花冷え～ぬる燗(10℃～45℃)です。

―イチオシ商品はなんですか？　地元の食材・料理とはどんな合わせ方がおいしいですか？

• 「櫻正宗 純米大吟醸 協会1号酵母」

協会一号酵母の持つしっかりとしたキレのある濃厚な味わいと、大吟醸造りのキレイな味わいをバランスよく組み合わせることで、13度と低めの度数ながらも芳醇で後味のキレが良い唯一無二のお酒を造り上げました。

燗にすると、低アルコールでも協会一号酵母のしっかりとしたキレの良さと濃厚さを味わえます。また、冷やでもお米を50％まで磨いたことによるキレイさを味わえるため、飲む温度によって様々な発見ができるかと思います。

おススメの食べ合わせ(地元食材と)：神戸を代表する神戸牛のローストビーフや、赤穂や相生の生牡蠣・焼牡蠣など、素材の味を活かしながらもしっかりとした旨味を感じる食べ物と合わせるのがお勧めです。

400年の歴史と伝統を持つ、日々新しいことに取り組んでいる

―酒造りで心がけていることは？

櫻正宗が酒造りで心掛けている事は、
①物を言わない微生物を相手にすることは、喋れない赤ちゃんを育てる様に、母親と同じ深い愛情を持ってどんな変化も見逃さず接する事。

②一つ一つの造りは二度と出会う事のない出会いです。一瞬たりとも時間を無駄にせず、常に寄り添って勉強を繰り返しながら育て上げていく事。

③一つの造りを終えたら必ず反省と研究をし、次の造りへ繋げていく事。

以上が櫻正宗の心掛けている酒造りです。

―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。

櫻正宗本社の向かいにある「櫻宴」では、当蔵の商品を販売しているだけではなく大正時代末期～昭和初期頃の酒造りの様子を収めた貴重な映像や、歴代のラベル等歴史的な資料も多く展示しています。

またレストランやカフェも併設しており、様々な食事を楽しめるだけでなく、 櫻宴でしか味わえない櫻正宗のお酒もご用意しております。

―最後に、読者へのメッセージをお願いします！

400年の歴史と伝統を持つ当蔵では、歴史的な酒造りを守りながら、品質第一をモットーに温故知新の精神で日々新しいことに取り組んでいます。

これからも、兵庫県の米、兵庫県の水、兵庫県の人が醸す兵庫の地酒蔵として、継承してきた蔵人たちの「思い」を未来に繋げられる様、皆様に愛される酒造りに取り組んでまいります。

店先等々で見掛けましたら、是非一度ご賞味ください。

今回ご紹介した酒蔵について

【兵庫県】
櫻正宗株式会社
https://www.sakuramasamune.co.jp/
兵庫県神戸市東灘区魚崎南町5丁目10番1号