地域で愛される酒蔵の銘酒に着目し、酒蔵からの生の声と和酒情報を読者の皆様にお届けする連載企画。第284回目の当記事では、栃木県小山市(おやまし)の西堀酒造(にしぼりしゅぞう)を特集します。
日光街道沿いに位置する国登録有形文化財指定の酒蔵
―酒蔵の歴史や地域について教えて下さい。
明治5年(1872)創業、栃木県小山市の国登録有形文化財指定の酒蔵。代表銘柄「門外不出」は、今でも9割以上が栃木県内で消費される少量生産の栃木の地酒。
国内外の複数の受賞歴が示す確固たる技術を基に、伝統製法を守る“継承”タイプの銘柄の他にも、業界初のクリアタンク醸造、LED色光照射発酵(どちらも特許取得済)など、次世代へ向けた“革新”のシリーズ展開として、既成概念に囚われない新たな挑戦も積極的に行う。
時代に呼応した日本の酒造りを目指し、美味しさとともに驚きと感動を届ける「自由闊達なる酒造り」をテーマとする。
―代表銘柄は?
「門外不出、若盛」
後味はすっきりとしており、辛口好きな方、甘口好きな方どちらでも合わせることのできる、万能タイプの純米吟醸酒です。
お薦めの飲み方:12℃前後に冷やしてグラスで。
―イチオシ商品はなんですか?
「Nishibori Physis(西堀 ピュシス) 純米吟醸」
「宇宙・自然」がコンセプト。”濃醇旨口”を基本とする、当蔵のありのままの酒質を表現。
哲学概念から酒質を設計する、西堀パンセシリーズの中心商品。特約店限定流通商品。
クローヴ、シナモン様のスパイシーな香りが基調。ミネラル感に加え、かすかなスイートコーン様の香りが複雑性を印象付けます。
丸みがありつつも手応えのある舌触りに加えて、旨味をしっかり感じる酸味、高めのアルコール度数が力強い印象を作り出しています。
お薦めの料理:すき焼き、豚の角煮、八宝菜など
美味しさと驚き、そして感動を提供する新たな挑戦
―酒造りで心がけていることは?
新しいチャレンジを良しとする「自由闊達なる酒造り」で、美味しさとともに驚きと感動を届けていきたい。
―酒蔵や地域、観光などでオススメポイントや盛り上がっている話題を教えて下さい。
ラムサール条約に登録されている渡良瀬遊水地の広大な関東平野の自然と米麦実る豊穣な田園風景。
―最後に、読者へのメッセージをお願いします!
現在、“冬場の酒造り”(日本酒)と呼応した、“夏場の酒造り”として日本酒蔵ならではの蒸留酒(ウイスキー)造りにも挑戦中です。栃木県にお立ち寄りの際は、ぜひ見学にいらしてください。
江戸末期の建物から、和洋折衷の蒸溜所まで、五感でお楽しみいただけます。
今回ご紹介した酒蔵について
【栃木県】
西堀酒造株式会社
栃木県小山市粟宮1452
https://nishiborisyuzo.com/